私たちはこの世に生れ出て、どのような環境でどのような影響を受け、育ってきたのでしょうか?!
私たちは、母親にどのように育てられ、そして、どのようなスキンシップを受け成長してきたのでしょうか?!
幼児期の環境と学童期の家庭環境、特に家庭内環境は私たちの人生全般に大きく関わってきます。
母親とのスキンシップが十分でなく育てられた場合や、または、子供の頃の親との死別や離婚による心理・環境の変化、さらに、親に認めて欲しいと願い、親に評価されんが為の努力や親の顔色をうかがいながら、親の心理的動向を観察しながら育った場合、親の意向を、子供が親からの愛を得るために無意識に自分の意思として内在化していった場合、等々。
子ども時代の家族間での様々な関係は、その子の気質と遺伝傾向によってトラウマ化し、早くも思春期の中学生時代からその影響が出始めます。
過去において、忘れることができないような辛いことやひどい目に遭った出来事の記憶もあります。または怖い事や事故に遭った記憶もあります。このような単発的なトラウマをシングルトラウマと呼んでいますが、この種類のトラウマは簡単に見つけることができます。
しかしながら、日常の生活の中で心理的に我慢したり、自分に言い聞かせて耐えてきた不満や苦痛などに関しては、無意識にトラウマとしての認識から外されてしまい、抑圧された記憶となっていきます。それゆえに、自分だけの知識では自覚されることが難しいのです。それは、専門家の助言と誘導があって初めてたどり着く感情の世界であり、情動のトラウマなのです。
多くの相談者が、「自分の子供時代は何ら不skinship満もなく、親子の関係は良かった。現在も良い関係が保たれている」と話されます。それは嘘や勘違いとは異なり、本人はそう思い込むことで、子供時代の精神的葛藤を乗り越えてきていたのです。
親子関係だけとは限りませんが、本当に子供時代に精神的な葛藤(ストレス)がなかったならば、心の病や精神的な苦痛や悩みを抱え込むことは絶対にないのです。

生きていく中で、何らかの精神的苦痛や自律神経の失調をきたした時、その背後に潜む“トラウマ”の存在は無視できません。

自分の努力だけでは解決できそうにもない、何かを感じた時は、一度立ち止まって心の世界に旅してみることも人生には大事な時もあるのです。そうして人生の軌道修正を行うのです。

ぜひ、退行催眠療法による心の旅に、自分の過去を振り返る心の旅に出てみてください。 
そこできっと大きな何かを見い出すことでしょう

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あなたが、親との関係で精神的に満たされずに我慢して育ったとします。成長の過程で当時の我慢していた感情や思考の流れはほとんど忘れ去られていて、苦しい思いをしたという記憶は一般に薄れてしまっているものです。
例えば恋人間で、子ども時代に十分に満たされなかった感情を、相手が満たしてくれたとしましょう。そうなるとあなたは、自分の秘められた欲求を満たしてくれる存在として、無意識にその相手がかけがえのない、失うことができない依存対象としての相手になっていきます。
人のドラマを彩る様々な人生模様は、生まれつきの性格と幼児・子供時代の環境による“トラウマ”によって色付けられているといっても、過言ではないのです。
“トラウマ”は、恋人や夫婦の関係等に必ず影響をおよぼします。
例えば、トラウマとしての子供時代の感情は、ふだん意識にのぼらないぐらいに、無自覚のまま作用し、子供時代と本質的に同じ感情(情動)の世界を再現させてくのです。
今となっては、記憶に残っていないか、意識にのぼることがなかったとしても、「自分のことを分かってくれていない」とか、「もっと自分にかまって欲しい、大事にして欲しい」とかいう気持ちが子ども時代に満たされていなかったとすれば、そのトラウマによって生じる不満を相手にぶつけてもめるか、相手との関係の中で常に淋しさを感じるようになります。その感情を満たそうとして、いつも相手のことが頭から離れなくなり、「もっと自分を必要として欲しい」という思いに支配されその思いを満たそうとします。
恋人同士や人生のパートナーとして一緒に暮らす夫婦間においては、子供時代の満たされていなかった感情を、常にそして無自覚的(無意識)に追い求め相手に要求している傾向があるのです。
トラウマの度合いによって要求度も違いますが、それが満たされれば、もっと多くの要求が心理的に生じてきます。もし満たされなかったら、相手を責めて相手との関係を壊していくか、不満を内に秘めた我慢した関係に甘んじることになるのです。そうしてその不満と葛藤と不安が、知らず知らずのうちに心の病を生じさせる結果になっていくのです。内に秘められ押しやられた感情は、子供時代と同じように、深刻に自覚されないまま、一生にわたり満たされることのない精神的葛藤として存在し続けることになるのです。その苦痛や精神的な孤独感は、お互いに良い関係を築いているように外見上見えても、心は時間の経過とともに背中向きになっていくのです。実際にどのような結果を生むかという個人差は、お互いの無意識に潜むトラウマの内容と深刻さによって変わってきます。
心の病や人間関係における精神的苦痛を感じる時、その背景に潜むトラウマと呼ばれている精神的葛藤などを見つけ出すことが、心理療法を背景とした“退行催眠の技術”に求められているのです。